【2018年7月】ブロックチェーンゲーム業界最新動向まとめ

7月になってブロックチェーンゲームのニュータイトルや今後の方針などがたくさん発表されました。

追いきれてますか?

ブロックチェーン業界の移り変わりは激しく、正直キツイと思います。

そこでこの記事では、話題性のあるゲームやプロジェクトを中心にまとめた業界マップをベースに、最新動向を紹介していきます。

垂水ケイ

夏休み前の情報のキャッチアップにどうぞ!

dAppsゲーム(ブロックチェーンゲーム)

  • オンチェーンメイン:ゲームのアセットにブロックチェーン利用。スマートコントラクトも利用。
  • 既存ゲーム+ブロックチェーンアセット:アセットだけトークン化しており、他はオフチェーンがメイン。
  • 既存ゲーム+暗号資産:ゲーム内通貨やゲーム内のアイテムの購入に暗号資産を利用。
  • オン/オフハイブリッド:ゲームアセットがブロックチェーン利用とそうでないものの両方がある。

垂水ケイ

この4パターンに分類して動向を紹介していくよ。

オンチェーンメイン→スケーリングでサイドチェーン

日本で話題になっているのは、「イーサエモン」「アクシー」「イーサタウン」あたりですね。

どれもキャラクターはブロックチェーンに乗っており、ゲームシステム自体もブロックチェーンを利用したスマートコントラクトで動いています(イーサエモンのランクマッチは、今はオフチェーンですが)。

取引マイニングで話題になったFcoinによるgas代高騰を受けて、7月中旬はしばらくプレイできない期間が続きました。今回紹介した3つのゲームとも、なにかしらのスケーリングソリューションに着手しています。

イーサエモンは、トランザクションを分散処理するシャーディング関連のプロジェクトである「Zilliqa(ジリカ)」の利用を発表し、アクシーとイーサタウンはサイドチェーンのプロジェクトである「LOOM Network」の利用を発表しています。

これらが実装されれば、ブロックチェーンゲームとしての特長を維持しながら、快適なゲームプレイに近づきます。

ブロックチェーンアセット利用型のゲーム

ゲーム性とブロックチェーンの特長をうまくいいとこ取りしているジャンルが「ブロックチェーンアセット利用型」です。

ゲームのプレイに関する部分はオフチェーンで作られており、キャラクターやモンスターなどの肝心な部分についてはブロックチェーンを利用します。

これによって、ブロックチェーンアセットの所有権はプレーヤーに帰属させつつ、ゲーム性を確立することができます。

「クリプトコンジャー」「9LIVES」がこのタイプに該当します。

関連記事をアップした時には、他のゲームよりもレスポンスがよかったです。ブロックチェーンゲームらしさには期待しつつ、楽しいゲームをやりたいんですよね。

トークン利用型のゲーム

暗号資産(トークン)を利用して、ゲーム内のアイテムを買ったり報酬としてもらうことのできるゲームです。

ベースは既存のゲームなので、ゲーム性は十分にあります。

このタイプは最近あまり動きがありません。今回紹介しているのも「ノバブリッツ」「ビヨンドザボイド」ということで、少し情報としては古くなっています。

アセットにブロックチェーンが利用されていないこのタイプは、現金をわざわざ暗号資産に変える手間が増えるだけなので、流行らないんでしょう。

オン/オフハイブリッド

個人的に期待しているのがこのタイプ。ブロックチェーンを利用したアセットと、利用しないアセットの両方でプレイできるゲームです。

日本のブロックチェーンゲームである「コントラクトサーヴァント」「マイクリプトヒーローズ」がハイブリッドタイプで開発を進めていると発表しています。

ブロックチェーンゲームの抱える課題の一つに、プレーヤー数が圧倒的に少ないというのがあります。認知度の問題はもちろんあるんですが、暗号資産で買わなければならないというのはやはり新規参入のハードルをかなり上げてしまっています。

「チュートリアル部分はオフチェーンアセット→本番部分はオンチェーンで」とか「オフチェーンアセットのレベルキャップは〇〇、ここから先をガチでプレイしたい方はオンチェーンアセットでね!」とか、そんなゲーム設計ができます。

新規参入の裾野を広げてくれるタイプになってくれると期待しています。

非dAppsゲーム(暗号資産関連)

ここではプレイによって暗号資産のもらえるタイプのゲームを紹介しています。

基本的には従来のゲームそのままで、報酬としてビットコインが支払われたり、ゲームの空き時間にPCのリソースを使ってマイニングすることでゲームアイテムを買ったり、プレイ料金に当てることができます。

報酬としてビットコインが支払われるのには、GMOの「CryptoChips」というサービスが、マイニングにはスマイルメーカーの「ヘカトンケイブ」というサービスが使われます。

ヘカトンケイブの利用できるゲームはまだ公開されていませんが、CryptoChipsは「ウィムジカルウォー」に実装が決まっており、8月からプレイ報酬として暗号資産がもらえるようになる予定となっています。

ブロックチェーンゲーム関連のプラットフォーム

  • ゲームからプラットフォームへ
  • ゲームと提携してプラットフォームを構築
  • 既存のゲームとブロックチェーンを紐づける
  • SDKなどの開発系要素のあるプラットフォーム
  • ブロックチェーンアセットのマケプレ

プラットフォームはこの5パターンで紹介します。

ゲームからプラットフォームへ

ブロックチェーンゲームでは、ゲームはただのゲームではなく、プラットフォームとして機能していく動きも見せています。

dappsの草分けであるクリプトキティが、キティバースというプラットフォームを発表しました。

キティバースは、クリプトキティのサードパーティゲーム開発プラットフォームです。

キティバースでの開発者は、クリプトキティの運営からサポートを受けるこもができます。

ゲームがプラットフォーム化していく初のパターンといえます。これは確固たる地位を築いているクリプトキティだからできたパターンかなと。

一方で、イーサタウンのように最初からプラットフォームとして機能させることを前提としたゲームもあります。

8月にはフルローンチも控えていますし、今後イーサタウンに加るゲームが増えてくれば、拡大していくポテンシャルをもっています。

MMO系のゲームも、ある種プラットフォーム的な要素はありますが、壮大ゆえに開発期間が長くなりすぎて途中でコケるパターンをいくつか見てきました。

イーサタウンがうまくいっているのは、ゲーセンのように小さなコンテンツを一箇所にまとめていったところに要因があると思います。

ゲームと提携してプラットフォームを構築していく

ビットギルドは自前のマーケットプレイスをもち、チャットをしながらゲームをプレイできることを特徴とするプラットフォームです。

現在はイーサオンラインとマジックアカデミーをプレイでき、イーサタウンやアクシーなどの有名タイトルも追加される予定です。

独自トークンとして「PLAT」がありますが、現状は上場していないのでETH→PLATの一方通行です。

フェアゲームは自前でゲームを持っている他、「エバードラゴン 」「クリプトスペースX」などと提携をしています。

現在はまだ実装されていませんが、マーケットプレイスが出来上がればゲームをまたいで独自トークンの「FAIR」で取引ができるようになります。

売買するだけならイーサリアムでも十分ですが、FAIRには将来的には配当機能もつくようです。プレイヤーが使いたがるインセンティブ設計がなされているのはポイントですね。

既存のゲームとブロックチェーンの紐づけ

ブロックチェーンゲームをイチから作っていくのは大変ですし、ユーザーからすれば暗号資産の入手などのハードルもあります。

既存のゲームをうまくブロックチェーンに載せてエコノミーを構築することを目指すプラットフォームの紹介です。

ブリルライトはグラナドエスパダで知られる韓国のネトゲ大手「ハンビット」のプロジェクトです。

ネトゲのアセットをブロックチェーンに載せていくので、ゲームの売買やプレイによってプレーヤーが稼げるようになります。

既存のゲームのブロックチェーン利用は、既存のユーザーを最大限活用できるのが強いですね。

WAXはOpenSkinsというマーケットプレイスによって開発されたトークンで、従来のデジタルアセットをWAXトークンでトレードすることができます。

OpenSkinsはもともと多くのFPSユーザーを抱えていますから、巨大なトークンエコノミーを構築していく可能性を秘めています。

開発系プラットフォーム

トークンをまとめて送れるERC1155で話題のエンジンは、開発系のプラットフォームでもあり、独自トークンEJNを持っています。

ウォレットともありますし、マケプレも実装予定。さらに従来ゲームであるマイクラに、プラグインとしてブロックチェーンアセットを実装することも決まっています。

開発系として紹介していますが、全部やるマンですね。エンジンでゲームを生み出し、遊んでもらう。大きなエコノミー構築のポテンシャルを秘めています。

エンジンベースのゲームとしては、「ウォーオブクリプト」「9LIVES」があり、どちらも注目度が高まっています。

ネブラスはブロックチェーンの検索プラットフォームです。googleで評価されたコンテンツが検索上位に表示されるのと同様に、ネブラスの評価の高いdappsなどのブロックチェーン関連コンテンツが上位に表示されます。

ネブラスはこれに加えてdapps開発者への報酬システムが組み込まれています。

特筆すべきは、ゲームアプリ製作プラットフォームのcocosとの提携を発表したこと。ネブラスがインフラを整えていけば、既存のプログラマーが簡単にdappsを作れるようになるかもしれません。

ブロックチェーンアセットのマケプレ

ブロックチェーンゲームでは、公式がマケプレを持つ場合もありますが、サードパーティのマケプレの売買も盛んです。

OpenSeaは、ブロックチェーンアセットのマケプレとしてはもっとも有名です。

開発も着実に進んでおり、使い勝手がどんどん向上していってます。

OpenSeaでの取引はETHで行われていますが、他のプラットフォームの流れをみると、独自トークンとかもだしてくるかもしれません。

アトミックバザーは、ブロックチェーンアセットと暗号資産をセットにして取引できるマケプレです。

取引のオファーシステムも便利で、「ブロックチェーンアセット+0.1ETHでどうですか?」みたいなオファーもできます。

ただ、OpenSeaもオファーはできるので、OpenSeaが似たような仕様を実装してきたら既存のユーザー数で負けちゃうと思います。

ブロックチェーンアセットのマケプレは、現在のところOpenSeaの一強ってイメージです。

まとめ

ブロックチェーンゲームの最新動向を一挙にまとめました。

ゲームの方は、サイドチェーンなどのスケーリングソリューションを駆使した純ブロックチェーンゲームと、既存のゲームを上手に取り入れたハイブリッドタイプの戦いが一気に激化してきそうです。

プラットフォームは正直どこが勝ち残るかわかりませんが、ENJINからは目が離せないです。

ゲームとプラットフォームの最新動向をチェックした後は、日本企業の最新動向もチェックしてみてはいかがですか。

ブロックチェーンゲーム関連銘柄|国内企業の動向まとめ」で、最新動向を随時更新しています。

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