ビットコインにおける3大リスクと対策!危険を回避するにはまず知ることから始めよう

ビットコインには大きく分けて3つのリスクがあります。

  1. ビットコイン自体のリスク
  2. 取引所のリスク
  3. ユーザーのリスク

「暗号資産とか怪しいしなんか危なそう!詐欺だってたくさんあるって聞いたよ?」

世間的には暗号資産のリスクについての理解はだいたいこんな感じだと思います。わたしも投資を始めるまではそうでした。

でも、実際に自分のお金を投じるわけですから、できるだけ回避したいですよね。

リスクを回避するためには、まず知識をつけることが大切です。

ここでは、ビットコインのリスクを3つのカテゴリに整理して、それぞれの対策についてまとめます。

ビットコイン自体のリスク

ビットコインシステムの信頼性がなくなる

ビットコインが価値を持っているのは、不正をすることができないブロックチェーンと呼ばれるシステムを使った電子決済システムだからです。改ざん不可能という土台の上に価値が形成されていますから、改ざんができるとなれば価値はたちまちなくなってしまいます。

「価値がなくなってしまえば、不正をして手に入れたビットコインを持つ意味がなくなってしまいますから、改ざんをする人はいない。」

こういった意見を見かけることもありますが、「ばれる前にビットコインを他の資産に変える。」「ばれない程度のコソコソした不正を重ねる。」などいくらでも逃げ道はあります。

一般ユーザーからしたら、ビットコインのシステム自体が崩壊することに対しては備えるすべがありません。投資金額を調整して、最悪ビットコインの価値がゼロになっても生き残れるようにしておくくらいです。

極めて低い可能性ですが、完全なゼロではないという認識は持っておくべきでしょう。

価格変動が大きい

ビットコインをはじめとする暗号資産は、市場が未成熟ということもあり、他の投資商品と比べると極めて大きな価格変動があります。

自分の中では半分くらいまで減っても大丈夫と身構えていても、余裕でマイナス80%とか突き破ってくる可能性だって十分あります。

株式投資をするときには、「自分のリスク許容度の範囲内で投資をする。」とよく言われますが、ビットコインに対してはどこまでリスク許容度を広げておけばいいのかは疑問符がつきます。

ビットコインのリスクに対する対策

  • ビットコインのシステムが破綻して価値がなくなるリスク
  • 価格変動が大きいリスク

この二つのリスクに対しては、直接的ではありませんが、ビットコイン以外の投資商品も使ってポートフォリオを構築して、資産全体としてリスクを調整することで対応可能です。

例えば、私の場合はビットコインはマイナス80%くらいまでは全然OKというスタンスですが、資産全体としてはマイナス70%くらいがリスク許容度です。ビットコインの他に価格変動がビットコインよりも小さい株や債券を保有することで調整をしています。

過剰なリスクをとりすぎずに、生き残るためには必要な考え方です。

一方で、ビットコインへの投資額は小さくなりますから、爆上げの恩恵も小さくなります。

取引所のリスク

暗号資産に投資をしていて、最も気を付けなければいけないリスクが取引所のリスクです。

先ほど紹介したビットコインのシステムのリスクと取引所のリスクは分けて考える必要があります。

なぜなら、ビットコインのシステムは健全であったとしても、それを取り扱う取引所のシステムまで健全性が担保されているわけではないからです。

取引所のリスクとしては、次の4つが考えられます。

  1. ビットコインが盗難されるリスク(ハッキング)
  2. 取引所が破綻するリスク
  3. 取引所のシステムがトラブルにあうリスク
  4. 取引所が不正を行うリスク

ビットコインが盗難されるリスク:Mt. GOXの事例

少し前になりますが、2014年に暗号資産の大手取引所「Mt. GOX(マウントゴックス)」が破綻しました。原因は、暗号資産が盗難にあったことです。

日経新聞に当時のニュースが掲載されています。

 インターネット上の暗号資産ビットコインの取引所「マウントゴックス」を運営するMTGOX(東京・渋谷)が28日、東京地裁に民事再生法の適用を申請し、同日受理されたと発表した。債務が資産を上回る債務超過に陥っていた。顧客が保有する75万ビットコインのほか、購入用の預かり金も最大28億円程度消失していたことが判明した。(中略)

民事再生法の申請に至った理由は、「ビットコイン」と「預かり金」の消失で負債が急増したため。2月初旬、システムの不具合(バグ)を悪用した不正アクセスが発生し、売買が完了しない取引が急増。「バグの悪用により(ビットコインが)盗まれた可能性が高い」と判断した。

出典:日本経済新聞 2014/2/28(https://www.nikkei.com/article/DGXNASGC2802C_Y4A220C1MM8000/

ビットコインの決済システムはブロックチェーンの高度な技術で不正をすることは不可能とされていますが、取引所はそうではありません。

取引所のシステムにバグがあったり、ユーザーの暗号資産の保管方法に落ち度があれば盗難にあうリスクがあります。大規模な盗難であれば、マウントゴックスのように破綻するケースに発展するでしょうから、失われた暗号資産が戻ってくることは望み薄です。

取引所が破綻するリスク

暗号資産の取引所が破綻すれば、預けてある資産全てがスムーズに戻ってくることはまずないと考えていいでしょう。

株式投資であれば、証券保管振替機構がありますから証券会社がトラブルにあっても株式自体は残ります。FX(外為取引)でも、ユーザーの資産は信託銀行に保管されるため、FX業者が倒産しても資産は安全です。

これに対して暗号資産は、取引所自身がユーザーの資産を管理します。マウントゴックスの事例のように盗難されなくても取引所の破綻によって資産が失われるリスクがあります。

取引所のシステムがトラブルにあうリスク

ハッキングによる盗難リスクとはわけて考えます。

暗号資産の価格変動は大きいので、一瞬の差で損益が大きく変わることはザラにあります。取引所ではアプリや取引サイト経由で暗号資産の売買をしていますが、システムトラブルによって注文が遅延したり、注文が通らないリスクがあります。

これによって、損切りする予定だった価格で売り注文が通らず、想定よりも大きな損を被ってしまいます。FXをしていた方は経験があると思いますが、相場が急落している真っ最中は指値と約定価格は乖離しがちです。

取引所が不正を行うリスク

新興の取引所の中には、はじめから詐欺をする前提でつくったのか、資金繰りが苦しくなって手に染めたのか、不正を行うものがあります。

国内の登録業者であれば完全に安心かといえばそうでもなく、取引所の社員が横領まがいなことをやるケースだって考えられるわけです。

取引所のリスクに対する対策

取引所のリスクはユーザーが最も気を付けなければいけない割には、対策方法に乏しいリスクです。

取引所内で起こっていること(資金繰り、バグ、不正)は、ユーザーからは事前に察知することができないからです。

それでも出来る限りの事はしておく必要があります。

上場企業が運営している取引所を選ぶ

破綻のリスクを軽減するためには、安定した企業が運営している取引所を選ぶことが大切です。

資金力に余裕がある分、セキュリティーにお金をかけることができる点もポイントです。内部不正対策でユーザーの送金手続きには複数部署の承認が必要なマルチシグネチャが導入されています。外部からの対策をしている取引所は多いですが、内部対策も重要ですからね。

例えば、GMOコインは上場企業であるGMOインターネットのグループ会社です。さらに、FXや株式取引のノウハウがあるGMOクリック証券も同じくグループ会社です。

  • 破綻リスク:GMOインターネットのグループ会社で安定。
  • 取引所システムのリスク:GMOクリック証券のノウハウが活かされている。
  • 取引所の不正リスク:内部不正対策(マルチシグネチャ)が導入されている。

損害の補償制度のある取引所を選ぶ

bitFlyerやcoincheckは損害保険会社と契約しており、不正ログインによる盗難被害にあった場合には上限金額まで保障されます。破綻リスクや内部の不正に対する対策にはならない点でGMOコインには劣りますが、全くない取引所よりは安心ですね。

bitFlyerは暗号資産の盗難は適応外であったり、どちらも二段階認証をしていることが前提であったりと条件がありますのでご注意ください。

  • bitFlyer:不正ログインによる日本円の損失を最大500万円保障
  • coincheck:不正ログインによる損失を最大100万円保障

ユーザー自身によるリスクと対策

暗号資産の盗難被害

ひとつの取引所に高額の資産を保管しておくことは、取引所の破綻リスク・不正リスクなどの観点から推奨されていません。

暗号資産は自分のパソコンやスマホに、ウォレットとよばれるお財布アプリのようなものをインストールして保管することができるんですが、自分で管理しているが故のリスクが発生します。

  • スマホやパソコンの盗難
  • ウイルス感染・ハッキング

これらのリスクに対してやるべきことは明確です。

  • 万が一盗難にあっても不正ログインされないように、パスワードの自動入力はオフにしておく。
  • セキュリティソフトをインストールし、常に最新状態を保つ。
  • 二段階認証を必ず実施する。

自己責任が大前提の投資の世界では、自分の身は自分で守らなければなりません。

暗号資産関連の詐欺被害

近年、暗号資産の詐欺やそれに近い不審な相談が急増しているとのことです。金融庁がパンフレットをつくっているくらいです。(https://www.fsa.go.jp/common/about/20170403.pdf

よくある詐欺として紹介されている事例を引用します。

  1. 聞き覚えのない業者から暗号資産の購入を勧められた。
  2. 投資に関するセミナーで「金融庁推薦」「ここでしか買えません」「必ず価値が上がります」 「購入価格よりも高い値段で買い取ります」などの文句とともに、暗号資産の購入を勧められた。
  3. 金融庁や財務局の職員など、公的機関の職員を名乗る者から、暗号資産の購入を勧められた。

実際には、国内では金融庁に登録した業者しか暗号資産を販売できませんし、金融庁職員が暗号資産を推奨・勧誘することもありません。それでも引っかかる人が後を絶たないんですから、人の欲望の闇は深いですね。

私自身もファミレスで暗号資産のセミナーを企画している集団に遭遇したことがあります。教会で行うイベントに暗号資産投資家の講師を招いてなんたらかんたらと話していました。神聖な場所で何をするつもりだと衝撃を受けたことをよく覚えています。

詐欺に引っかからないようにするためには、最低限の基礎知識と詐欺の常套手段は知っておくと良いでしょう。

「これって詐欺では?」と思ったら、すぐに相談窓口に連絡することも大切です。

間違っても、業者のパンフレットに書いてある「相談窓口」に連絡することのないように気をつけて下さい。それ、オレオレ詐欺と同じ手口ですからね。問い合わせ先ももちろんグルです。

金融庁のパンフレットを一読しておくだけでも違います。金融庁の回し者ではありませんが、ぜひ読んでみてください。

まとめ

ビットコインをはじめとする暗号資産のリスクを「ビットコイン」「取引所」「ユーザー」の3つに切り分けて説明しました。

  • 価格変動の大きさ、ビットコインの信頼性の崩壊には、資産全体におけるビットコインの比率が高くなりすぎないようにコントロールすることで対処する。
  • 取引所の破綻リスク・不正リスクに対しては、上場企業が運営している「安定感」「ノウハウ」「セキュリティ」のある取引所を選ぶ。
  • ウォレットからの盗難被害を防ぐために、パスワード自動入力をオフにする、セキュリティソフトをインストールするといった基本的な対策は必ず実施する。

リスクを覚悟していないものは、相場に飲み込まれてしまいます。動きの激しい暗号資産ではなおさらです。

リスクを理解し覚悟をしておくことは生き残ることにつながります。

 

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