ブロックチェーンゲームが話題になり始めたのが2018年2月頃ですから、もう半年が経ちました。
この半年間で急速に進歩してきましたね!
この記事では、これまでのブロックチェーンゲーム・dApps界隈を振り返りながら、最近のトレンドをまとめます。
Contents
ブロックチェーンゲームマーケット
googleトレンド|国内では横ばい・世界では下降気味
「dApps」のキーワードでgoogleトレンドをみてみます。日本で話題になり始めた1月頃から増えており、その後は増減しながら横ばいが続いています。1月にピークがきているのは、クリプトキティの影響ですね。
2月~5月頃にかけて、ブログやメディアがいくつか登場しましたが、すでに更新の止まっているものもちらほらあります。
定期的に「dapps」や「ブロックチェーンゲーム」でツイッター検索していますが、新しいゲームは増えてきているものの、プレーヤーは固定されてきています。googleトレンドの盛り上がった後に横ばいというのは、感覚としても一致しています。
海外でもクリプトキティの影響で1月にピークがきていますが、その後は下降トレンドを辿っています。暗号資産に投資をしていた人と、dappsで検索する人はある程度オーバーラップしているでしょうから、相場の影響を多分に受けていますね。
注目すべきは検索ボリュームが多い地域がシンガポールであること。dappsのプロジェクトを調べているとシンガポールに拠点を置いているチームが多いです。ブロクチェーンゲームで有名な「イーサエモン」もシンガポールですね。
日本も4位にランクインしています。盛り上げていきたいところですね!
ブロックチェーンゲームのマーケットは拡大傾向
GODS UNCHAINEDのトレンド
イーサエモンのトレンド
グラフはDappRaderにて作成
暗号資産バブルも相まって、昨年末から1月にかけてクリプトキティでは多額のお金が動きました。
暗号資産バブル後は、一旦落ち着きましたが、最近ではトレーディングカードゲームの「GODS UNCHAINED」がプレセールで3億以上の売り上げを記録しています。初期からあるイーサエモンは、開発を着実に進めており、一定数のユーザー数を確保しながら7月から伸びをみせています。
もともとゲームとしてのマーケットは15兆円を超えるとほど大きいといわれています1)。ブロックチェーンゲームとしてのマーケットの広がりに加えて、ブロックチェーンゲームが普通のゲームのマーケットに入り始めているという印象です。
GODS UNCHAINEDは、FIATでの購入も予定しているとのことです。ブロックチェーンゲームとしてのマーケットにFIATが流入して拡大することが期待できます。
ブロックチェーンゲームの動向
注目のゲームからみるゲームのトレンド:コミュニティ・話題性が重要
- クリプトキティ
- イーサエモン
- イーサタウン
- GODS UNCHAINED
これら4つのゲームがここ最近のDAU(デイリーアクティブユーザー)のトップをキープしています。それぞれのゲームを簡単に紹介します。
クリプトキティ:猫を収集・交配するゲーム。ブロックチェーンゲームの草分け的存在で根強いファンがいる。KittyVerseという猫を使ったゲームのプラットフォーム提供を開始。
イーサエモン:モンスターでバトルするゲーム。ブロックチェーンゲームが話題になった初期からあるゲーム。日本でコミュニティの形成に成功している。
イーサタウン:ミニゲームが集まるプラットフォームでありながら、投資・配当を楽しむこともできる。フルローンチされ、配当がもらえることで人気が出ている。
GODS UNCHAINED:ハースストーンやシャドウバースライクなトレーディングカードゲーム。eスポーツの大会が開催予定であり、賞金総額が3000万円(最大1億7000万円程度、ETHの相場により変動)を超えており話題になっている。
ブロックチェーンゲームが話題になった初期は、ゲームとも呼べないようなゲームもたくさんありましたが、既に淘汰が始まっています。現時点で成功している4つのゲームをみると、「プラットフォーム」「コミュニティ」「話題性」がキーワードになってきます。
コミュニティ形成や話題性のないゲームは、リリース後もプレイされることなく消えていっています。小さなマーケットだからこそ、ファン作りや話題作りができないゲームはキツくなってきています。まだまだゲーム性は高くありませんから、こういったマーケティング要素が重要な役割を担っています。
ETH以外のプラットフォームにも成長の兆し
現在のブロックチェーンゲームはほとんどがイーサリアムベースですが、7月くらいになってから、NEO, EOSなどのEHT以外のプラットフォームでのブロックチェーンゲームを見かけるようになってきました。
NEOはブロックチェーンゲーム開発のコンペをやって盛り上がっていますし、EOSも稼働しているdAppsが増えてきています。
参考NEO GAME
ただ、それぞれのプラットフォームのゲームに触れてみましたが、現状はETHに人もお金も集まっていてゲームのクオリティは高いです。他のプラットフォームの成長には期待したいですが、ETHもソリューションの研究は日々進んでいます。最終的にどこが生き残るか考えた時に、ETHには一日の長があることは無視できませんね。
また、技術的な話はもちろんのこと、先ほど述べたようなコミュニティ・話題作りのできないプロジェクトは生き残れなさそうです。
ブラウザウォレット(WEB3.0)の動向
METAMASKとTrustが依然として強い
ブロックチェーンゲームをプレイするためには、WEB上で暗号資産の支払いをするためのブラウザウォレットが必要です。
現状は、PCではMETAMASK、モバイルではTrustのユーザーが多いです。METAMASKは競合がいませんし、Trustは暗号資産取引所のBinanceに買収されており、BinanceはDEXの開発も進めていると発表しています。今後しばらく、METAMASKとTrustがトップランナーをキープしそうです。
METAMASKのセキュリティを懸念するユーザーもいましたが、TREZOR対応になったことで安心運用に一歩近づきました。
参考Metamaskがハードウェアウォレット(TREZOR)に対応
ブラウザウォレットの増加
一方で、モバイルのブラウザウォレットが増えてきています。名前だけ挙げていくと、Trust, CIPHER, Toshi, tokenpoket, qurage, Buntoy, opera, Statusなどなど。
Trustはブラウジングしにくいという弱点がありますが、qurageやoperaはタブブラウジング可能であったりと快適性が向上しています。
ブラウザウォレットの課題
ブラウザウォレットが抱える共通の課題としては、iOS版でのリリースのハードルが高いことです。ブロックチェーンゲームに直接アクセスできる仕様だと、承認が下りないようです。
今後もブラウザウォレットの需要は続くと思いますが、ゲーム自身がネイティブアプリをリリースして、ゲームアセットの管理もゲーム内で完結する流れは来ると思います。そうなった時にはブラウザウォレットの需要はある影響を受けそうです。
ゲームを始めとするdappsのハブとしてどのようなビジネズモデルにしていくのか、早々に問われています。流れとしては、エアドロップを共催したり、自前のメディアを作ってトラフィックを増やす方向に進んでいます。
dapps関連メディア・ストアの増加
国内のブログ・メディアは頭打ち、ストア枠が空席
国内はブロックチェーンゲームにフォーカスしたブログやメディアが増えてきています。代表的なところをいくつか紹介します。
新しいメディアやブログは最近はひと段落しており、発信者が固定されてきています。
特に、アクセルマークはブロックチェーンゲームインフォというメディアだけでなく、プレセールに登録する「PlayDApp(仮称)」を発表しており、他の企業との差別化が図られています。
参考アクセルマーク、新作ブロックチェーンゲームのプレセール予約が無料で行える『PlayDApp(仮称)』でDAppの事前登録受付を開始!
ちなみに国内ではストア系のサイトはまだないようなので、以下で紹介するdapp.comの日本版的なサイトを作るだけでも特徴が出せると思います。
海外ではdapp.com, cryptogamers.comが台頭
ブロックチェーンゲームを取り扱うメディア自体、海外にはそれほど多くない印象です。
最近ではストア系のdapp.com、メディア・コミュニティ系のcryptogamers.comの2つが、ゲームとのクロスプロモを積極的に実施して着実に成長してきています。彼らのGiveAwayキャンペーンを目にしたことのある方も多いはず。
ゲームからdapps全体に視野を広げると、DAPP.TECHやdapp newsも知られています。ただし、アクセス解析をすると数千PVというオーダーで、dapp.comやcryptogamers.comの方がアクセス数は多いです。
ゲーマーの方が熱心に調べているという面白い現象だと思います。
ブロックチェーンゲームは今後も拡大し続ける
一般ゲーマーへの認知度向上
一般ゲーマーへ広がることで、ブロックチェーンゲームのマーケットは一気に拡大します。少しずつではありますが、その流れが見え始めてきていますので紹介します。
MLB CryptoBaseballはメジャーリーグと提携して、選手を集めることのできるブロックチェーンゲームです。メジャーリーグの認知度は言わずもがなですから、ブロックチェーンゲームがここにアプローチできたことは大きな影響があります。
GODS UNCHAINEDはeスポーツの大会を開催することで話題になりました。海外ではeスポーツがメジャーですから、これも認知度アップに寄与します。
日本国内でもゲームウィズがブロックチェーン関連のメディアをやり始めていますし、ライターの募集もしています。国内最大級のメディアが注目しているわけですから、一般ゲーマーへと一気に広がるポテンシャルをもっています。
FIAT入金への対応
ブロックチェーンゲームをプレイしてもらうための大きなハードルは暗号資産の所持です。これまでは、ETH払いが基本でしたが、7月末に行われたWar of CryptoのプレセールではPayPalでの支払いが可能でした。
GODS UNCHAINEDもFIATでの支払いに対応予定だとしており、この流れが他のゲームにも波及していけば、ブロックチェーンゲームをプレイするハードルはかなり下がります。
ただし、日本ではFIATでブロックチェーンアセットを買うためには金融庁の登録が必要なので、実現するかどうかは確定ではありません。
ユーザーエクスペリエンスの向上
ブロックチェーンゲームとしてのテクノロジーも進歩してきています。
LOOMやZilliqaといったサイドチェーンの実装や適切なオフチェーン化によって、ブロックチェーンゲームが話題になった初期よりもユーザーエクスペリエンスはかなり向上しました。
もちろん、既存のゲームと比べるとまだまだです。ガス代の無料・低コスト化や、さらなるスケーラビリティの改善がなされるまでは、キャラクターやアイテムのみブロックチェーンを利用し、その他は既存のゲームに寄せていくハイブリッド型が流行りそうです。
プレーヤーとしては、アセットを自由に売買できる点に魅力を感じます。ハイブリッド型はブロックチェーンゲームの醍醐味は享受しながら、ユーザーエクスペリエンスを向上させる良い手段です。
まとめ
ブロックチェーンゲームはこの半年で大きな成長を遂げてきています。
ゲーム性の高いブロックチェーンゲームも発表されてきており、一般ユーザーが気軽にプレイできるようになるビジョンがみえてきました。
マーケットが拡大していくために必要な要素も各所にみられ、今後ますます発展が期待できますね!
ブロックチェーンゲームやプラットフォームのトレンドについて、より詳しく知りたい方は「ブロックチェーンゲーム業界・プラットフォーム最新動向まとめ」をご覧ください。
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