菟道りんたろうさんの記事で紹介されており、毒気を抜いてもらおうということで購入してみました。
著者はセゾン投信社長の中野晴啓 氏です。
個別株の長期保有について
まず個別株では、「合理的根拠のない長期保有は『投機』と同じ」としています。
これは、個別株の投資は企業の根源的価値に対するものであり、それが逸失した場合や回復が見込めない場合にも売却しないのは、なんら合理的根拠がないためです。
私は、この「根源的価値」の判断はプロにしかできないと考えています。仮に、根源的価値が見出せたとして、その価値が投資対象になり得るのかの判断も難しい。
だから、自分が企業を応援したくなる理由を「根源的価値」として、割り切って考えてしまった方が案外すっきりするかもしれません。
「応援したくなる理由がなくなったとき」、「自分が応援しなくても応援する人が充分いるとき」は売却すべきなのでしょう。
投信の長期保有について
投信については、値段の概念が違う点、ファンドマネージャーがいる点から、基本的に売買を繰り返すものではないとしています。
投信の基準価額は、市場価格ではなく受益権一口あたりの純資産総額であり、売買のオペレーションはファンドマネージャーがしてくれるからです。
そこに私達が売買をしてしまっては、無意味です。
丁度最近、ほったらかし投資における売却について考えることが多かったので、「合理的な判断としては売却はしない方が良い」というひとつの明確な意見として取り入れることができました。
関連記事
- バイアンドホールド戦略でも売却の練習はしておくべきでは?
- 利益が出ていようが 損失が出ていようが淡々と売却できますか?
おわりに
投資が楽しくなりつつも本質は見失わないようにしてくれる一冊かと思います。
しっかりと毒気は抜いてもらいました。
良書を紹介されていた菟道さんに感謝です。
コメントを残す