日経新聞社 紙面解説委員兼編集委員 田村正之 氏の著書です。
良書として紹介されているのを何度か見たことがあったので買ってみました。
最近は「下流老人」等のワードも流行っているし、煽り気味なタイトルの本だけどどうかなーと思いましたが、内容は非常に充実していました。
テーマとしては、「資産運用(積立投資)」「外貨投資の危険性」「医療と保険」「住宅」「年金」「相続」と、人生におけるお金に関することを網羅的に取り上げています。
「老後貧乏」」というワードにあまり引っ張られることなく、読んでみるのがいいと思います。
「資産運用」「外貨投資」「医療と保険」の章は特に読むべき
「住宅」「相続」は20代の私にとってもう少し先かなーということもあり、それ以外のところを主に読み込みましたが、多くのテーマを取り扱っているにもかかわらず、ムダもスキもないように感じました。
資産運用について
資産運用では「長期・積立・分散・低コスト」を基本として、インデックス積立投資を推奨しつつ、買ってはいけない投信やなぜ資産運用にFXや個別株がNGなのか、詳しく説明されています。
また、「賢い指数(スマートベータ)」や「コア・サテライト戦略」についても言及されていました。
これらについては、最近読んだ本の中には出てきていなかったので、私にとって新しく興味深い内容でした。
買うべき具体的な投資商品や、目論見書の読み方みたいな内容にページの半分を使っている本よりコンパクトにまとまっていて良いです。
外貨投資について
金融では常識みたいですが、外貨投資における高金利って長期的には投資先通貨の為替が下がって利益がなくなってしまいがちなんですね。
為替は為替で独立していて、為替の上下は運みたいなものかと思っていましたが、下がる方向に力が働くことは初めて知りました。
積立投資のやり方みたいなところは、これまで本を読んできて多少理解してきたつもりでしたが(そもそも積立投資だけだと必修範囲が狭い!?)、経済や金融に関する知識の土台がないため、上記のような常識とされていることに対する理解が不足していることを実感しました。
医療と保険について
保険は掛け捨てで入るべき、基本的には損、といった基礎的な内容はもちろん書かれています。
この本のいいところは、社会保障について特に詳しく書かれている点にあります。
「高額医療費」や「合算制度」等について、「こんな制度がありますよー」といった軽く触れるわけでなく、「どこで、なにを申請すれば、いくら戻ってくるか」といった具合に、非常に詳しく書かれています。
ちなみに、合算制度も初めて知りました。
おわりに
投資や保険について、まったく考えたことがないとこの本を読むのにはなかなか骨が折れると思います。
多少知識がついてきたタイミングで読むと、自分の知見が広がるのでオススメできます。
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