低コストで話題のたわらノーロードシリーズに、plusと名の付く3本が新たに加わりました。
新興国株式が低コストになりました!という話題は各所で出ていますが、plusについてはあまり触れられていないようなので、少し調べてみました。
今回追加されたplusのファンドは以下の3本です。
- たわらノーロードplus国内株式高配当最小分散戦略
- たわらノーロードplus先進国株式低ボラティリティ高配当戦略
- たわらノーロードplus新興国株式低ボラティリティ高配当戦略
このように、「plus」はスマートベータ戦略をとっていることを意味しています。
今回のスマートベータ戦略を細かく見ると、「高配当」「最小分散」「低ボラティリティ」にわけられます。
「高配当」はイメージがつきやすいと思うので、残りふたつについて調べました。
最小分散戦略・低ボラティリティとは
ここで「分散」とは、統計の言葉であり、分散投資とはの「分散」とは意味が異なります。
投資において価格変動リスクを評価する際には、リターン分布の標準偏差(σ)を用い、分散はσの二乗になります。
統計的な話はさておき、要は「分散≒リスク」と読み替えてしまって差し支え無いと思います。
ボラティリティも値動きの幅を意味しているので、最小分散と低ボラティリティは同じ方向性の戦略だといえます。
最小分散について、もう少し詳しい話をします。
まず、H・マーコヴィッツのポートフォリオ理論によれば、あるリスク水準に対して期待リターンが最大となるポートフォリオを効率のフロンティアと定義しています。
ここで、最小分散とは、効率のフロンティア上のポートフォリオのうち、リスクが最小となるものを目指しています。
これまで、ハイリスク・ハイリターンかローリスク・ローリターンのどっちかだと思われていましたが、「ローリスク・ハイリターン」となる実証研究結果※1、2)が報告されてきており、注目されているようです。
最小分散ポートフォリオは以下の様な特徴があるようです※1)。
- 小型、バリューに偏る
- ディフェンシブな業種への配分が高い(低リスク資産に偏るリスク)
- 市場指数をベンチマークとした場合、アクティブファンドよりもトラッキングエラーが大きい
偏りやトラッキングエラーは注視しなければいけませんね(最小分散に限った話ではないですが)。
※1:海外における最小分散ポートフォリオファンドの概況(NFIリサーチ・レビュー、2011年6月)
※2:最小分散ポートフォリオとボラティリティ効果(証券アナリストジャーナル、2009年12月)
スマートベータの収益性は?
勝ったり負けたりしています。
おわりに
去年から投資を始めた私にとっては、スマートベータは非常に真新しい物に見えます。
実際は、昔からあった戦略に名前がついただけだったり、新しさやチャンピオンデータだけ抜き出して素晴らしいように説明されているケースもあります。
冷静な見極めができるような知識を持っておかないと。
ただ、研究等の土台を含めて、ちゃんとしたスマートベータファンドには興味があります。
調査を続けて良さそうなものがあれば、資産配分のごく一部をスマートベータに置き換えることを検討したいと思います。
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