先日ひふみプラスのファンドマネージャーである藤野さんの書いた「投資バカの思考法」を読みました。思考法として共感できる点が多く、ひふみ投信自体にも興味が湧きました。
最近ではメディアへの露出も増えており、投資系雑誌やカンブリア宮殿で知った方もいらっしゃると思います。
ひふみプラスって実際のところどうなの?と疑問に思う方のために、ひふみプラスの評価と買った理由についてまとめました。
ひふみプラスの基本情報
- 信託報酬:0.98%
- 参考指標:TOPIX
- 投資対象:国内外株式
- 投資形態:ファミリーファンド方式
ひふみプラスは景気や社会情勢を勘案して現金比率を増やし(最大50%)、株の調子がいい時には株式比率を増やすことでベンチマーク以上のリターンを目指すアクティブファンドです。
これまで分配金は出しておらず、効率的な運用をしています。
P-CCAPの法則での分析
P-CCAPの法則とは、ファイナンシャルプランナーの竹川さんが提唱している、アクティブファンドを選ぶときの目論見書の見方です。
内容は、①哲学、②コスト、③持続性、④資産流入、⑤運用成績の5項目です。
①Philisophyー投資哲学はあるか?
ひふみプラスの運用方針(投資哲学)は、景気や社会情勢に応じて現金比率をディフェンシブに変化させると目論見書に書かれています。また、参考指標はTOPIX(配当込)と明示されています。
投資先の選定は、株価が割安と考えられる銘柄に対して長期的に投資するバリュー型です。
2017年になってからは、米国株への投資も始まりました。これまでは日本国内だけでしたので、投資哲学がブレたのでは?と懸念される声もありますが、投資対象としては基本的に一貫しています。
ファンドマネージャーの投資哲学としては、「投資バカの思考法」を読む限り、はっきりとした投資哲学をもっているように感じます。これは実際に読んでいただいた方が伝わりますので、ひふみプラスが気になる方は一度読んでみることをオススメします。
②Costー手数料は高すぎない?
アクティブファンドなので、インデックスと比べれば当然高いです。
しかし、0.98%という数字は他のアクティブファンドと比較して低い水準にあります。
売買手数料等を加味した実質コストは1.3〜1.6%程度と若干高めです。
コストは運用成績にかかわらず引かれていきますから、今後も実質コストの推移は注視することが必要です。
特に米国株への投資が始まったため、実質コストが変動することが懸念されます。
③Continuityー持続性は大丈夫?
信託期間は無期限です。長期投資を目的に設定されているファンドですから、当然といえば当然ですね。
一部以下の④とかぶりますが、ファンドの持続性には十分な資産があることや資産の流入が続いていることが重要な要素になります。
ひふみプラスには十分な資産があり、資産の流入も続いていますので、現時点では繰上償還の可能性は低いと考えます。
持続性は問題なさそうですね。
④Assetー資産の流出入は大丈夫?
先ほど述べたように、資産の流入はファンドの持続性のために必要な評価基準です。
逆に流出もチェックポイントになります。
資産の流入があっても、流出が続いているとやがて歯抜けのファンドになってしまう恐れがあります。
そうなってしまうと、ファンドとして株式の売買をしにくくなりずるずると運用成績が下がってしまいます。
ひふみプラスは順調に伸びています。
2015年には250億円程度で、2016年4月19日時点で800億円を突破したようです。
テレビで放映されてからはさらに資金の流入がすすんでいます。
資産の流出入は問題なさそうです。
⑤Performanceー運用成績はいいか?
ひふみプラスはTOPIX(配当込)を参考指標としています。
設定来のパフォーマンスは、TOPIXが102.4%に対し、175.7%と大きなリターンを得ています。(2016年4月時点)
将来のパフォーマンスを保証するものではありませんが、少なくともこれまでの運用成績は優秀です。
買ってみた理由
ひふみプラスを購入した理由は「投資バカの思考法」を読んで、藤野さんが面白そうな方だったからという完全なる主観・興味が半分。
P-CCAPの法則ベースの分析を行って、客観的に問題ないと判断したのが半分です。
こうした理由で、大金を投資したり、積立投資対象にしたりすることはオススメしませんが、自分の知見を広げるためにはいいんじゃないかなと思っています。
わたし自身は、ひふみプラスだけを購入しているわけではなく、TOPIXなどの特定の指標に連動するインデックスファンドを使って、全世界の株式や債券に幅広く投資をしています。その一部をひふみプラスに投資しています。
運用成績がいいからといってひふみプラス一点投資にすることは、特定の属性を持つ(日本株・バリューなど)投資先に集中投資をすることと同義です。資産運用の基本として、「卵は一つのカゴに盛るな」といわれています。こけたカゴを落としたら、すべての卵が割れてしまいますからね。
わたしのポートフォリオの中では、ひふみプラスはコアサテライトのサテライト部分として扱っています。
コアサテライトのポートフォリト詳細については、以下の記事を読んでみてください。
おわりに
わたしはインデックス投資から始めたので、アクティブは悪みたいな極論を多数見てきました。
これまではアクティブファンドというだけで敬遠していましたが、藤野さんの投資哲学が琴線にふれたことをキッカケに、ひふみプラスを買ってみました。
もちろん、ファンドマネージャーが面白い方かどうかとファンドの運用成績に関係はありませんが、コストやリターンも割とよくて、ちゃんとしたアクティブファンドもあるんだと実感しています。
将来に渡って勝ち続けるとは限らないというスタンスは変わりませんが、お試しで買ってみるのは色々考えるよいキッカケになるので、今後もちまちまと続けていこうと思います。
コメントを残す