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低コストなアクティブファンドを組み込むか否か

2015年はニッセイやたわらノーロードの登場により、インデックスファンドの低コスト化が進みました。
私は昨年からインデックス投資を始めているため、あまり実感はありませんでしたが、従来のファンドと比較すると大幅に低コスト化がされています。

また、最近はスマートベータと呼ばれる指標を用いて、インデックスに対してα(超過リターン)を求めるファンドも出てきています。
スマートベータファンドの性質やコストは、アクティブとインデックスの中間程度であり、大枠としては低コストのアクティブファンドと捉えることもできます。

昨年のインデックスファンドの低コスト化をみると、将来的にはアクティブファンドも低コスト化が進む可能性は十分にあります。

実際に、低コストアクティブファンドとして、「ひとくふう日本株式ファンド」が信託報酬0.25%とインデックスと比較しても低い水準にまで下がってきています。

こうした中、低コストなアクティブファンドを自分のポートフォリオに組み込むかどうかを考えてみます。

ファンド選びにおけるコスト以外の理由

そもそも、私がインデックスファンドを選んだ大きな理由のひとつは、コストの安さです。
アクティブファンドのコストが安くなればこの課題はクリアになりますから、コスト以外の理由について考える必要があります。

コストの次に考える理由は、「わかりやすさ」でしょうか。もう少し具体的には、ベンチマークの有無、売買の基準等です。これはアクティブのコストが下がっただけで、単純にクリアできるハードルではありません。

「わかりやすさ」というと、初心者向きと捉えられるかもしれませんが、それ以外にもメリットは意外とあります。

例えば、インデックスはベンチマークとの比較で成績をわかりやすく見ることができます。アクティブにもベンチマークを設定していれば問題ないですが、現状はあったりなかったりというところです。ひとくふう日本株式ファンドにはありませんでした。

ベンチマークが設定されていれば、同じベンチマークを目指すファンドの比較は、おおよそコスト一点でできますが、アクティブはわかりにくいものも多いため、比較には知識も手間もかかります。

アクティブファンドの選び方に竹川さんの著書に書かれているPCCAP法があります。

①Philisophyー投資哲学はあるか?
②Costー手数料は高すぎない?
③Continuityー継続性は大丈夫?
④Assetー資産の流出入は大丈夫?
⑤Performanceー運用成績はいいか?

今はまだ少ないですが、低コストアクティブファンドが増えてくれば、それぞれ調べていくとそれなりの手間がかかります。

インデックスのコストをなんとなく比較している程度が気楽で、私には合っています。

低コストなアクティブファンドなんてできるのか?

そもそもですが、低コストで良質なアクティブファンドなんてもの自体がありえるのかという点に疑問があります。
先日、ひふみ投信のファンドマネージャーである藤野さんの著書を読みましたが、直接社長さんと会っていたりと、他者を出し抜いてアルファを生むことができる投資対象を選ぶには、コストがかかって然るべきだと考えています。

これはあくまで私の主観ですが、将来低コストなアクティブファンドが生まれたとして、それはもともと藤野さんのようなかかるべきコストがかかっていなかったボッタクリファンドじゃないかと勘ぐってしまいます。

元不良が更生すると、必要以上に美談になるように、ボッタクリファンドのコストが下がったからといって安易に飛びつきたくはないというのが私の気持ちです。

もちろん、かかるべきコストを掛けたからと言って成績が良くなるとは限らないのが難しいところですが…

低コスト化の可能性としては、運用が効率化されることも考えられます。
スマートベータのような、ある種のクオンツ運用であれば、確かに低コスト化はできそうなものです。しかし、過去をベースに設定されている指標である以上、インデックスをアウトパフォームできるかはわかりません。
また、選ぶための手間を掛ける必要があることに変わりはありません。

私はすまーとBUTA戦略とか言いながら、ちょいちょい買ってはいますが興味本意や勉強のためであって、資産形成を目的とした購入ではありません。

まとめ

話が発散していまいました。まとめると、

  • 低コストなアクティブファンドそのものに懐疑的。
  • 低コストになったからといって、取捨選択の手間を掛けたくない。

以上の理由から、低コストアクティブファンドが出てきても乗り換えないというのが、今の私の結論です。
自分の能力が上がるなり、ファンドがわかりやすくなるなりして、優劣の判断がすぐにできるようになったら組み込む可能性はあります。

【おまけ】高コストなインデックスファンド、低コストなアクティブファンドの世界があったら

ITTINさんがふとツイッターで呟いていたテーマですが、自分の考えを見直すために逆転の発想するのは面白いと思ったので乗っかってみます。

以下、雑記です。まとまりのない話をします。

高コストなインデックスファンドは買わない

まず、高コストなインデックスファンドですが、インデックスファンドの成績はコストに依存すると考えています。
要は、プラスは同じでマイナスがどれだけあるかの比較になるためです。

どの程度高コストかにもよりますが、例えば信託報酬3%のインデックスと0.3%のアクティブだったら、アクティブの方が成績が良いという世界になっていそうです。

「なんだかよくわからないアクティブだけど、適当にやってても勝てる」みたいな。

こんな世界だと、「インデックスファンドは買うべきでない」とされていて、「インデックスファンドを買ってはいけない!」とか「アクティブファンドを買うべき7つの理由」みたいな本がでているでしょう。
投資をしたくなって、勉強して、とステップを踏む事を仮定すると、普通にアクティブファンドに投資をしていそうな気がします…テーマ型とか毎月分配型とかは別ですが。

高コストなインデックスファンドが低コストになってきたら

そんな世界にもインデックスファンド低コスト化の波がやってきます…
「インデックスファンドが勝てない理由はコストだった!投資ブロガーが注目するインデックスファンドとは?」みたいな記事が多数生まれます。

こうなってくると、どちらを買うか悩ましくなります。
これまで買ってきたアクティブファンドを否定することになるため、すぐにアクティブへの乗り換えには精神的なハードルがあります。
これまで掛けてきたコストが意思判断に影響する、サンクコストとかって言うんでしょうか。

「インデックスでは市場平均以上のリターンを生まない。アクティブには勝ったり負けたりだ。」とか言い出すかもしれません。

もちろん、理詰めで考えていけばインデックスに乗り換えた方が良さそうだなとなってくるとは思いますが、知識が浅いうちはアクティブを買い続けるでしょう。

自分の性格を振り返ってみると、このサンクコストってのはバカにできません。
というのも、実はまだ貯蓄型の終身保険を解約できていません。解約が合理的だとわかっていても、気持ちでストップしてしまう、典型的なサンクコストだと思います。

この思考実験をして気づいたことは、自分がいいと思っている事に対しては、大分プラスのバイアスが掛かっているということです。
さらに、そこにコストを掛けていると意思決定に大きな影響があります。

おわりに

「高コストなインデックスファンド、低コストなアクティブファンドの世界でインデックスファンドが低コスト化してきたら」というテーマで考えました。
この仮定のもと、何を買うかやどんな世界かはさておき、自分がもともとやっていたことに対してバイアスがかかりそうだという事が見えてきました。

現実には高コストなアクティブファンドが低コスト化してきていますが、バイアスが掛かっていることを認識した上で、乗り換えるか否か冷静に判断したいところです。
とはいえ、冷静に判断するのが手間だなぁとなればインデックス継続しちゃうと思いますというのが正直なところ…

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